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2019.03.23

鮪(マグロ)の由来や意味は?鮪の習性や漢字の成立ちから意味を考察しました

鮪人(まぐろびと)鮪人(まぐろびと)

私たち日本人が大好きな鮪(マグロ)!

お寿司屋の看板メニューとして並び、魚市場に行けば解体ショーが開かれるなど大人気ですよね。

 

そんな私たちの生活に当たり前のようにある鮪ですが、その言葉の「意味」を考えてみたことはありますか?

実は、鮪(マグロ)と呼ばれる理由には様々な説や歴史があるんです。

今回は鮪の由来や意味について詳しくご紹介していきます。

 

鮪(マグロ)とはスズキ目サバ科マグロ属の海水魚を意味する

鮪(マグロ)とはスズキ目サバ科マグロ属に分類される海水魚を指す言葉で、様々な種類が含まれます。

主に温帯海域や熱帯海域に生息する回遊性の魚で、クロマグロ、キハダマグロ、ビンナガやメバチなど様々な種類があります。

 

マグロの特徴は色々ありますが、まず1つはその大きさです。

種類にもよりますが、全長は60cmほどから3mにまで。特に大きいタイセイヨウクロマグロは最大で全長4.5m、重さは680kgほどです。

 

さらに、色々な食べ方で楽しめるのもマグロの特徴です。

さっぱりとした味わいのため、刺身や寿司、焼き魚はもちろん、ステーキなど、好みに合わせた調理方法で楽しめる魚ですね。

 

ちなみに、マグロは古来から日本食に取り入れられていたと言われています。

というのも、縄文時代の貝塚からマグロの骨が見つかっているのです。また、古事記や万葉集などにもマグロを扱った記述があります。

 

鮪(マグロ)という言葉の意味は複数の理由が考えられている

そんなマグロですが、その言葉にはどのような意味があるのでしょうか。

諸説ありますが、大きく考えられる意味や理由としては2つあります。

 

考えられる意味1.眼球が黒く「白黒」であるから

1つ目のマグロと呼ばれる理由は、眼球が黒く「白黒」であるからです。

 

マグロは目が黒いのが特徴です。そこから「眼黒」と呼ばれるようになり、そこから転じて「まぐろ」と呼ばれるようになったと言われています。

マグロは多数の種類がありますがどの種類でも眼が黒いので、「眼黒」からマグロになった説は有力であると言われています。

 

ただ、日本で言う「マグロ」の代表はクロマグロのため次項で紹介する説も有力な候補です。

 

考えられる意味2.マグロが集まると「真っ黒」になるから

2つ目のマグロと呼ばれる理由は、マグロが集まると「真っ黒」になるからです。

 

マグロは体が大きく、背中が黒いので群れで集まっていると真っ黒な小山に見えます。

特にマグロの代表格であるクロマグロは特に背中が黒く、集まることで真っ黒な山に見えやすいのです。

 

この時の見た目の「真っ黒」さから、「まくろ」→「マグロ」に繋がったという説があります。

 

「鮪」という漢字から意味を考えよう

マグロは漢字で「鮪」と書きますが、これにはどのような由来があるのでしょうか。

ここからは漢字の「鮪」に注目して紹介していきます。

 

鮪という漢字から考える意味1.「外側を囲う」回遊性の魚だから

鮪という漢字から考える1つ目の意味は「外側を囲う」というものです。

 

まず魚を指すため「魚へん」であるのは納得ですね。

では、つくりの「有」についてはどのような意味があるのでしょうか。

 

「有」という文字には「外側を囲う」という意味があります。

マグロは回遊性の魚なので、円を描くように中心を開けて回遊する泳ぎ方をします。

このマグロの生態が「有」という言葉を表すぴったりな理由と言えます。

 

また、「鮪は魚の中の魚、ここに魚有り」という意味合いを持っているという説もあります。

確かにマグロといえば魚の代表格とも言えるので、この理由もうなずけますね。

 

鮪という漢字から考える意味2.多くの「肉」を「もっている」から

鮪という漢字から考える2つ目の意味は「多くの「肉」をもっている」というものです。

 

鮪の「有」という文字には「ナ」という文字が入っていますが、これは「持っている」という意味を持ちます。

残りの「月」の部分は「にくづき」として様々な漢字に使用されていることからもわかるように、「肉」という意味です。

これらを合わせることで「肉を持っている」という意味になり、身の部分が多い鮪に当てはめられるようになったとされています。

 

鮪はたくさんの部位があり、様々な料理に活用されています。

この身の多さが「鮪」という名前の由来になっているという説があるのです。

 

素朴な疑問:「ツナ缶」はなぜ「マグロ缶」ではないのか

ところで、どうして「ツナ缶」は「マグロ缶」ではないのでしょうか。

 

スーパーなど並んでいるツナ缶の”tuna”は英語です。この”tuna”は日本語に翻訳するとマグロという意味を持ちます。

それなら日本でもマグロ缶と呼んでも問題なさそうですが……、実はそうでもないのです。

 

というのも、市販のツナ缶は「カツオ」が原料として使われている場合が多いです。

カツオはマグロ属の魚です。英語圏の方からすればまぎれもなく”tuna”です。

 

ちなみに、ツナ缶にカツオが使われるようになったのは1980年頃です。

このころからマグロの漁獲量が減少しはじめたため、安定して獲れるカツオで代用されるようになりました。

 

意味から色々な背景を考察できる鮪「マグロ」

マグロというのは実に面白い魚で、名前の由来や漢字の由来を探ってみると勉強になりますね。

また、英語にするとマグロはツナと呼ばれますが、日本よりも定義が広いのは注意点と言えるでしょう。

 

最後に、鮪という言葉がもつ意味として考えられる説をまとめると以下の通りです。

  • 眼球が黒く「白黒」であるから
  • マグロが集まると「真っ黒」になるから
  • 「外側を囲う」回遊性の魚だから
  • 多くの「肉」を「もっている」から

※諸説あります。

なにか新しい情報があれば幸いです。

名前の由来を把握して、日本人の食生活に欠かせないマグロの魅力を再確認しましょう!