ネギトロ丼の基本レシピ4種をご紹介【料理男子】
2019.04.18
> コラム> ネギトロにネギがない!?間違えがちなネギトロの正しい意味とは?
2019.03.19
鮪人(まぐろびと)
「ネギトロ」と聞いてみなさんがイメージするものはどんなものでしょう?きっと、お寿司屋さんで出てくる「ネギトロ軍艦」や「ネギトロ巻」をイメージする人が多いと思います。
でも、本当の「ネギトロ」にはネギはないのだとか・・・。驚きですよね!
今回はネギトロの歴史や語源、さらにネギトロを使ったレシピなど、ネギトロにまつわるさまざまな情報をご紹介します。
マグロを使った定番料理「ネギトロ」ですが、実はこの「ネギ」というのは本来薬味として使う野菜の「ネギ」ではありません。
ネギトロに使用されるのはマグロの「中落ち」と呼ばれる中骨の周りについている部分です。その骨から身をスプーンでこそぎ取ったものを「中落ち」と呼ぶのですが、こそぎ取ることを「ねぎ取る」と表現していたそうです。
「ねぎ取る」という言葉が「ネギトロ」の語源になっていたのですね。つまり、本来の「ネギトロ」とは「マグロの中落ち」を指していて、「ネギ」も「トロ」も使われていません。
ネギトロが世の中に登場したのは戦後数年経過してからという説があります。東京浅草にある寿司店でまかない料理として出されていました。それが人気となり1964年に正式メニューとして「ネギトロ」が誕生したのです。
「ねぎ取る」が「ネギトロ」となった課程については、この寿司店の会長がよく食事をしに行っていた浅草の「むぎとろ」という店からヒントを得た・・・ということになっています。
その後、世の中に広まっていく過程で「ネギトロ」という言葉に合わせて野菜のネギも付け合せて使用されるようになったそうです。
さらに中落ち部分だけでなく「トロ」と呼ばれる脂が乗った部位も使用されるようになり、現在の「ネギトロ」に至ります。
ネギトロに使用されるのはマグロの中落ち部分であるということは先ほどご紹介しましたね。本来、中落ち部分はマグロ1本からあまり量をとることができません。中落ちは希少部位にあたります。
高級寿司店では、マグロの「トロ」にあたる部分を包丁でたたいてネギを載せたものを「ネギトロ」として提供しています。
中落ちはマグロを1本買いして解体しないと出ない部位なので、高級品になるのです。クロマグロやミナミマグロなどのネギトロは絶品ですよ。
「ネギトロ」は回転寿司やスーパーでも比較的安価でよく見かけるネタの一つですよね。どうして安く出回っているのでしょう?そこには作り方にヒミツがあったのです。
回転寿司店など安価で食べることができるネギトロには、マグロのなかでも比較的安く手に入るキハダマグロやメバチマグロが使われています。
さらに中落ち部分に似た味を出すために、赤身にショートニング(植物性油脂)を加えてフードプロセッサーなどで細かくし混ぜていきます。
口当たりをなめらかにしたい場合は、ここにサラダ油をお好みで加えましょう。赤身にショートニングとサラダ油を加えることで「トロ」のような味わいを作り出すのです。
より低コストを実現している寿司店の場合、マグロではなくマンボウに脂を混ぜて提供しているようです。
ネギトロはマグロの赤身を買ってくれば、家庭でも作ることができます。どの家庭の冷蔵庫にも常備してあるマヨネーズを使えば、簡単に作ることができますよ。
マグロの赤身を細かくなるまで包丁で叩いたら、マヨネーズを加えて粘りがでるまで混ぜます。マヨネーズの量は、「粘りが出るまで」を目安に調整してください。
粘りが出たら冷蔵庫で寝かせましょう。マグロにマヨネーズのコクが溶けて美味しくなります。
参考記事:基本のネギトロ丼レシピ4種をご紹介
ネギトロの相場はいくらくらいなのでしょう?
ネギトロの相場は、どんなマグロを使っているかやマグロのどの部位を使っているかによって大きく左右されます。
ネギトロに使われるマグロは、一般的にはキハダマグロやビンナガマグロが多いですが、高級店ではクロマグロ(本マグロ)やミナミマグロなどの高級品種が使用されることもあります。また、中落ちのみを使用しているかや、赤身に脂分を加えているか、はたまたマンボウを使用しているか・・・でも大きく値段が変わります。
一般的には100gあたり250円くらいで売られているものが多いです。それ以下の値段で販売されているものは、原材料をよく見てから購入をした方がいいかもしれません。
ネギトロを使った定番料理からアイディア料理まで、いくつかのレシピをご紹介します。
ネギトロの定番料理といえばネギトロ丼ですよね。酢飯にネギトロをのせて小ネギと海苔をちらせば完成の簡単料理です。
ネギトロ丼の進化形として次のようなレシピもありますよ。
ネギトロ丼に卵黄を落としたものがネギトロユッケ丼です。韓国風のピリ辛のタレをかけていただきます。
山芋をすりおろしてトロトロにした山かけをネギトロに合わせます。小ネギやわさびを添えて、しょうゆをかけていただきます。
ネギトロ丼に1cm角に切ったアボカドと3cmに切った水菜をのせてカフェ風にしたのがこちらのレシピです。しょうゆベースのタレ(みりんとごま油を合わせる)に、マヨネーズをかけて海苔をふんだんに散らせば完成です。
参考記事:基本のネギトロ丼レシピ4種をご紹介
冷奴をちょっと豪華にアレンジしたのがネギトロ豆腐です。暑い夏にぴったりのメニューですし、おつまみにも最高です。
絹ごし豆腐にネギトロをのせ、めんつゆとごま油をかければ完成です。お好みで白いりごまをかけても美味しいですよ。
参考記事:ネギトロが余った時にチャレンジしたい!ネギトロ簡単アイデアレシピ4選
ネギトロ用マグロを使えば簡単にそぼろができますよ。
しょうゆ・砂糖・酒を大さじ1ずつ鍋に入れたら沸騰させ、マグロとしょうがのすりおろしを入れたら汁が無くなるまでかきまぜながら煮詰めましょう。お弁当のおかずや白いご飯のお供に最高です。
子どもが大好きなハンバーグ。たまにはお肉ではなくお魚で作ってみませんか?
ネギトロ用マグロにネギ、生姜のすりおろし、醤油、片栗粉を入れ、よく混ぜ合わせます。お肉のように練らなくても大丈夫です。
俵型に成形したら、油をしいたフライパンでじっくり焼きましょう。
焼きあがったら、大根おろしや大葉などを載せて、和風しょうゆだれをかけていただきます。大根おろしや大葉が苦手な方はチーズをトッピングしてもいいでしょう。
生食用のネギトロが余ってしまったら、お弁当用に竜田揚げにしてしまいましょう。
余ったネギトロに卵、生姜、めんつゆ(しょうゆ)、片栗粉を入れて混ぜ、タネを作ります。タネが緩い場合は片栗粉の量を調節してください。
スプーンで丸く成形し油でこんがり揚げたら完成です。
生食用は痛みやすいので、たくさん余ったら油で揚げたり焼くレシピでリメイクしてみましょう。
参考記事:ネギトロが余った時にチャレンジしたい!ネギトロ簡単アイデアレシピ4選
ネギトロの由来やおすすめレシピなどをご紹介しました。元々のネギトロにはネギもトロも使われていなかったとは驚きでしたね。
マグロの中落ちだけを使った本来のネギトロを食べる機会があれば、ぜひご賞味ください。また、ネギトロは丼や巻物でいただくのがメジャーですが、もし余ってしまったら焼き物や揚げ物にもリメイクできるので、こちらもぜひお試しくださいね。