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2018.08.12

マグロの部位一覧を図解で説明!これであなたもマグロマイスター

アバタータロウ

「今日のご馳走はマグロだよ!」と言われて、あなたはマグロのどの部位を想像しますか?刺身として食べられることの多い「赤身」の部分を想像する方が多いと思いますが、マグロにはその他にも美味しい部位がたくさんあるんですよ。

 

今回は、マグロの部位を図解で説明するとともに、部位ごとの味わいや調理法などもご紹介していきます。

マグロの部位・それぞれの名称は?

マグロは大きく分けると、頭(かま)、胴体、尾(テール)と3つに分けることができます。その中でも胴体部分は背中側と腹側に分かれ、さらに頭から尾にむかって上(かみ)・中(なか)・下(しも)と分けられます。

頭部には、脳天・ほほ肉・かま・あご肉・目玉があります。

 

胴体部の背中側は、頭の方から順に、背かみ・背なか・背しもに、腹側は同じく頭側から腹かみ・腹なか・腹しもに分けられます。背中側と腹側に挟まれるような感じで中心にあるのが、赤身と呼ばれる部分です。

 

頭部に近い「かみ」と呼ばれる方が脂の乗りが良く、尾に近い「しも」に行くにしたがって脂の乗りが弱くなります。価格も同様に「かみ」の方が高く、「しも」の方が安価になっています。

 

尾はテール・尾肉とも呼ばれ、この部分も食すことができます。

それでは各部位ごとの特徴をくわしく見ていきましょう。

脳天

頭部にある「脳天」の特徴や味わい・調理法をご紹介します。

特徴

頭部のちょうど目の上にあたるのが脳天と呼ばれる部位です。「頭肉」「ツノトロ」「鉢の身」と呼ばれることもあります。
1本のマグロからたったの2本しかとることができないとても貴重な部位です。その割合は1本のマグロの0.1~0.5%ともいわれます。

水揚げされる際にキズなどがついてしまうと、商品価値がなくなってしまうため、1本のマグロから1本だけしかとれないこともあるくらいです。

味わい・調理法

とても希少価値の高い部位である「脳天」は、大トロや中トロのように脂がのっていて、口どけもつるっと滑らかです。しかしくどさはなく、さっぱりとした味わいとなっています。

トロの脂の甘みと赤身の弾力と旨み、いいとこ取りをしている部位と言えます。

高級寿司店では大トロ以上に評価を得ているほか、ネギトロ丼や漬け丼にしても美味しいですよ。さっと焼いてレモンを絞って食べる方法もおすすめです。

ほほ肉

頭部にある「ほほ肉」の特徴や味わい・調理法をご紹介します。

特徴

ほほ肉は、その名のとおりマグロのほっぺたにあたる部分で、こちらもマグロ1本から2枚しかとれない希少な部位です。1本のマグロからとれる量は80~100gほどといわれています。

味わい・調理法

ほほ肉は繊維が多いこと、新鮮でないと生食は危険なことから加熱して食べることが多いです。加熱調理するとお肉のように柔らかな食感になります。骨がないので食べやすく、ステーキやフライにすると子どもも大喜びですよ。大人には塩焼きもおすすめで、酒の肴にぴったりです。

鮪人のマグロ解体ショーでは新鮮なホホ肉を刺身で細切りにして塩とごま油でユッケに。コレが絶品です。

かま

頭部にある「かま」の特徴や味わい・調理法をご紹介します。

特徴

「かま」とは人間でいう首の部分のことです。魚では頭の横に左右付いているヒレの部分にあたります。こちらも1本のマグロから2つしかとれないため希少部位です。

ヒレは泳ぐ際によく動かしますので、この部分は筋肉量が多く身のしまりが良い部分です。また、大トロがとれる腹部に面しているので、カマの身についてきた大トロの身肉も楽しむことができます。「かま」のなかでも脂が乗っている部分を「かまトロ」と呼びます。

味わい・調理法

マグロの部位のなかで、焼くともっとも美味しいといわれているのが「かま」です。「ほほ肉」もそうでしたが、「かま」も焼くとお肉のような食感となります。オーブンやグリルで塩焼きにして楽しむとよいでしょう。締まった身肉と、ジューシーな大トロ部分を一度に楽しめる部位です。

そのほか、鮮度がいいものなら刺身もOKですし、煮つけも美味しくいただくことができますよ。
また「かまトロ」にあたる部分は筋っぽさがなく、大トロよりこちらを好む人も多いそうです。

あご肉

頭部にある「あご肉」の特徴や味わい・調理法をご紹介します。

特徴

「あご肉」はマグロの口の下にあり、頭と胴体をつないでいる筋のことを指します。1本のマグロから1つしかとることができません。

人間のあご同様、マグロも餌を食べるときにあごを良く動かします。そのため「あご肉」は身がしっかりしていて弾力があり食べごたえがある部位です。スーパーなど一般的な店に並ぶことはありません。

味わい・調理法

先ほどご紹介した「カマ」と隣り合っているので、脂も乗っていてパサパサしません。「あご肉」も魚というよりは肉の食感に近くなります。繊維がきめ細やかに通っていて、ゼラチン質も多く含まれている部位です。

「マグロのスペアリブ」と呼ばれる部位なので、塩コショウで焼いてステーキにして食べるのがおすすめです。

目玉

頭部にある「目玉」の特徴や味わい・調理法をご紹介します。

特徴

マグロの目玉にはコラーゲンをはじめ、ビタミンB1・DHA・EPAなどの栄養素が多く含まれています。築地市場など市場にいくと「目玉」だけを購入することができますが、一般客が買い物する店舗などに流通することは滅多にありません。

味わい・調理法

「目玉も食べるの?」と思う方も少なからずいると思いますが、通は「目玉」を煮付けにし酒の肴として食べます。もし臭みが気になる場合は生姜をたっぷり使ってみましょう。「目玉」は火を入れることでコラーゲンがトロトロになり、旨みが口の中に広がります。

 

大トロ

 

胴体部にある「大トロ」の特徴や味わい・調理法をご紹介します。

特徴

マグロの部位の中では、もっとも高級品とされるのが大トロと呼ばれる部分ですが、部位でいうと「腹かみ」~「腹なか」にあたります。胴体部のお腹側で頭に近い部分からとることができます。

味わい・調理法

しっかりした身を味わうというより、脂のとろける旨みを味わうのが「大トロ」です。大トロの脂身は融点が低いため、口の中に入れた瞬間にとろけて無くなってしまうほどです。甘さと旨みがぎっしりと詰まった大トロは、刺身や寿司でいただくのが一番おいしいですよ。マグロの大トロは、高級寿司ネタの代表格ともいえる存在ですね。

中トロ

胴体部にある「中トロ」の特徴や味わい・調理法をご紹介します。

特徴

中トロは胴体部分の腹側からは「腹なか」「腹しも」、背中側からは「背かみ」「背なか」「背しも」と呼ばれる部位からとることができます。このように、中トロがとれる部位は範囲が広いため、脂の多さや色などバラつきがあるのが特徴です。

味わい・調理法

中トロは、脂がぎっしり詰まった大トロと、しっかりとした食感の赤身のちょうど中間といえる脂の量で、食べやすいため人気の部位です。大トロと赤身の美味しさの両方を楽しみたい方におすすめの部位ともいえるでしょう。刺身や寿司のほか、炙って食べる方法もおすすめです。

赤身

胴体部にある「赤身」の特徴や味わい・調理法をご紹介します。

特徴

マグロの刺身というと一般的には「赤身」を指しますね。赤身は胴体部分の中心部にあり、「かみ」「なか」「しも」それぞれの部位によって筋の入り方が変わります。身はしっかりとしていて、脂身は少ないのが特徴です。

赤身は低カロリーな上に高タンパクなので、ダイエットにもおすすめの部位ですよ。

また、赤身の中でも背骨に近い部分は「血合い」と呼ばれ、鉄分やアンセリンを多く含み疲労回復・貧血予防に役立ちます。安く手に入れることができるので、育ち盛りの子どもや女性におすすめです。

味わい・調理法

赤身部分は脂身が無い分あっさり食べることができます。脂っこいものが苦手な方は中トロ・大トロよりも赤身の方が食べやすいでしょう。

赤身はどんな調理法でも美味しくいただくことができます。定番の刺身や寿司のほか、カルパッチョやアボカドとサラダにしても相性がいいですし、お茶漬けやステーキにするのもいいでしょう。

中落ち

胴体部にある「中落ち」の特徴や味わい・調理法をご紹介します。

特徴

中骨の周囲に残った身を「中落ち」といいます。1本のマグロからとれる中落ちは約1%ともいわれるほど、希少な部位です。マグロを解体する時に残ってしまうので、市場などで安く手に入れることができるほかスーパーでも見かけることがあります。

骨についた身をスプーンなどを使ってとるため、身が崩れていたり不揃いなのが中落ちの特徴です。

味わい・調理法

どの魚でも「骨の周りについた身は美味しい」といいますがマグロも同様でしっかりした旨みを感じることができます。

もともと身が不揃いなので、叩いてユッケ風にしたりネギトロにしたりして食べるといいでしょう。

尾(テール)

尾(テール)部分の特徴や味わい・調理法をご紹介します。

特徴

マグロは尾の部分にも尾肉があります。「マグロ尾肉」「マグロテール」などと呼ばれる部分です。

マグロは長距離泳ぐので尾の骨も太く、肉質もしっかりしています。骨の周りにはコラーゲンが多く含まれているので、女性におすすめですよ。

味わい・調理法

尾肉は肉厚でしっかりした食感です。食べごたえのある部位なので、そのままステーキにして食べるのがおすすめですよ。塩焼きやバター醤油などお好みの味で焼いてくださいね。竜田揚げにして食べてもおいしいです。

いろいろな部位を食べ比べてみよう

マグロの部位をご紹介しましたが、たくさん種類があって驚いた方も多いのではないでしょうか?いろいろな部位の特徴を知ることができたあなたは、これでマグロマイスターです!

 

部位によって脂の乗り具合や、筋肉量が異なるので、同じマグロといえどもさまざまな食感や味を楽しむことができます。

 

もし機会があれば、部位ごとに食べ比べをしてみるのも贅沢ですね!スーパーなど一般客が買い物する場所では手に入らないような部位は、市場かネット通販で購入すると良いでしょう。マグロ専門の料理店に出かけるのもおすすめですよ!