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2018.10.16

マグロはどうやって解体するの?解体工程をみてみよう!

アバタータロウ

ほとんどのご家庭では「切り身」の状態でスーパーに並んでいるものを購入して食べられているマグロですが、そこに至るまでにはどんな解体工程を経ているのでしょう?順を追ってご紹介します。

 

マグロの解体工程はどうなってるの?

大型のマグロをおろすときは、1.5mほどのマグロおろし包丁を使って2人がかりで解体していきます。小型のマグロは半丁包丁や出刃包丁で1人でおろすこともできます。

捕獲されるところから、一番小さいサイズにおろされるまでの工程をみていきましょう。

 

捕獲される

マグロが水揚げされ捕獲された状態のものは「ラウンド」と呼ばれます。

 

痛みやすい部分を落とす(GG)

マグロの鮮度を維持するために、血ぬきします。痛みやすい内臓・エラを取り除くのですが、この工程をGG(Gliied and Gutted)や「マル」と呼びます。市場に並ぶのはこの段階です。マグロ解体ショーで見かけるものはこの状態のものが多いのではないでしょうか?

 

尾を落とす(セミドレス)

GGの状態から次に尾の部分を落とします。次の工程をドレスと呼ぶので、この工程はその前段階にあたるためセミドレスと呼ばれています。

 

頭を落とす(ドレス)

さらに頭を落としていきます。ヘッドレスを略してドレス(Doress)と呼ばれる工程です。

 

ドレスを三枚におろす(フィレ)

ドレスの状態から背骨に沿って2つに分け三枚におろします。この状態がフィレ(Fillet)と呼ばれるものです。

 

フィレを2つに分ける(ロイン)

フィレを背肉・腹肉の2つに割ったものをロイン(Loin)と呼びます。四つ割りという意味で、GGの身が四つに分けられた状態です。ロインの背肉を雄節、腹肉を雌節と呼びます。

鮮魚店ではロインや次にご紹介する工程のブロックの状態で仕入れ販売することが多いです。

 

ロインを輪切りする(ブロック)

ロインを背骨があったところに対して直角に輪切りにするとブロックと呼ばれる状態になります。

 

トレイに収まる長さに輪切りする(チャンク・ころ)

ロインやブロックをトレイに入るくらいの一定のサイズに輪切りしたものを「チャンク」「コロ」と呼びます。

 

天身

ブロックの体の中心(脊椎骨のあるあたり)に近いところを天身と呼び、色が濃く三角形をしています。赤身部分としては最高級の場所です。

 

ブロックを横に切る(カワラ)

ブロックの状態から天身をとったものを「カワラ」と呼びます。ブロックを横に切っていきます。見た目が屋根の瓦に似ていることからこのように呼ばれるようになりました。カワラは大トロや中トロ部分が含まれる高級品です。

 

カワラ・天身を縦に切る(サク)

カワラや天身を縦に短冊状に切っていくと、スーパーでよくみかける「サク」と呼ばれる四角い状態になります。

 

刺身

サクをさらに筋目に沿って直角に切っていくと、刺身になります。一切れサイズで寿司に使われるサイズです。刺身の目安としては、2cmくらいの厚さで切っていくとよいでしょう。

 

解体工程は分かりましたか?

マグロの解体工程には、さまざまな呼び方がついていることが分かりましたね。「サク」や「刺身」はよく聞きますが、初めて聞く用語も多かったのではないでしょうか?

一般人がマグロの解体を実際に見る機会は少ないかと思います。マグロ解体ショーを見る機会があったら、どのようにおろしていくのか実際に見てみるとおもしろいでしょう。