> コラム> 【プロ直伝】ご家庭で出来る本格的なお刺身の切り方・盛り付け方 マグロ・サーモン・鯛・鰤

2019.05.05

【プロ直伝】ご家庭で出来る本格的なお刺身の切り方・盛り付け方 マグロ・サーモン・鯛・鰤

鮪人(まぐろびと)鮪人(まぐろびと)

お刺身は、切られた状態のものをスーパーで買っている、という人が多いのではないでしょうか?

もっとおいしいお刺身を食べたい、そんなときは『サクを購入して、家で切る』これだけでグッと美味しくなるんです。

サクからお刺身へ、プロに「上手な切り方」を教わってきました!

お刺身をサクから切るとこんなに良いことが

まず、切られた状態のお刺身よりおいしいお刺身が食べられます。

なぜかというとお刺身は空気に触れることで酸化が始まり、切り口が乾燥し劣化するからです。

食べる直前に切るのが一番おいしい、ということなんです。

そして、同じ価格でもカット済みのお刺身よりサクの方が量が多いのを知っていますか?

おいしくて、たくさん食べられる!サクからお刺身を切ることで、こんな良いことがあるんです。

お刺身の切り方の基本

お刺身の切り方には様々な種類があります。

ご家庭でお刺身を切る場合には「平造り」「そぎ造り」の二種類だけしっかりと覚えておけばよいでしょう。

平造り

平造りは赤身の魚などの、身に繊維が少なく柔らかい魚に良く使われる切り方です。
柔らかい身の弾力を残せるという特徴があります。

マグロの平造り

  • 基本的にサクの身の厚い方を向こう側(自分と反対側)に置きます。
  • 包丁の刃をサクに当て、包丁の根元から刃先まで「包丁の切れ」を使い一気に引いて切ります。
  • 包丁の先でそのまま右に並べていきます。
  • 包丁がまな板に当たるのは、切った最後だけになります。

そぎ造り

そぎ造りは断面を大きくすることで舌で旨味を感じやすい切り方です。
身のしっかりした白身魚で弾力を残すようにするために、よく使われます。

鯛のそぎ造り

  • 基本的にサクの身の厚い方を向こう側(自分と反対側)に置きます。
  • 包丁の刃と、左手の指で切り身を挟む感じで引いて切ります。
  • 薄く削いでいく、という感覚で切ってください。

※注意点として、必ず切れる包丁でお刺身を切りましょう。切れない包丁だと切り口がガタガタになったり時間がかかったりと味に変化がおきてしまいます。怪我をする可能性も高くなるので必ず切れる包丁を!

切れる包丁はこちらをご覧ください。

鮪人のお得意さん紹介!600年前から受け継がれる匠の技を見よ【八内刃物製作所】

お刺身の切り方は魚の種類で変えてみましょう!

マグロ

マグロの薄いサクの場合

薄いマグロは角切りにして、山かけなどでいただくのはでどうでしょうか。

平造り

角切りにしていきます。

 

マグロのサクに厚みがある場合

平造りで身を厚く切ると食べ応え充分ですね。

マグロの平造り

立っています!

鯛は白身魚で弾力の多い魚です。

鯛の平造り

サーモン

サーモンは身が柔らかいので厚めに切ります。

サーモンそぎ造り

サーモン平造り

ブリ

ブリは平造りがよく使われます。カルパッチョなどにするときにはそぎ造りとなります。

ブリそぎ造り

ブリ平造り

ブリのそぎ造りと平造りで皮のの向きが変わっているのはなぜか、おわかりですよね^^

そうです、サクの身の厚い方を向こう側においているからです。

脂の乗ってるハラミの部分は背中に飾り包丁を入れておくと食感もよく食べられます。

飾り包丁

見た目も美しい!

お刺身の盛り付けの基本

お刺身の盛り付けの基本は「ツマ(けん、あしらい、薬味)」を使い、向こう側を高く手前を低く広く盛ります。

マグロの3種盛り

マグロの3種盛りは、奥から手前へツマとともに盛り付けていきます。

大トロ

中トロ・赤身と追加して

マグロ3種盛りの完成!

器にこだわってみても良いですね。

器が替わるだけで印象が違います。

お刺身盛り合わせにもチャレンジ!

特別な日にはご家庭で豪華なお刺身盛り合わせを作ってみませんか?

違う魚のお刺身盛り合わせの場合、同じ種類のお刺身を隣同士には盛らないようにして、お刺身の色の対比を考えます。

まずは完成したものを見てもらった方がわかりやすいですね。

ハレの日には彩りよくお刺身の盛り合わせを!

難しいと思わないでください、案外簡単に作れるんです。

お刺身のツマの種類

スーパーで購入できるツマ各種

  • 白髪大根
  • 大葉
  • わかめ
  • かいわれ大根
  • たで
  • ラデッシュ

などの添え物を「ツマ」と呼びます。

もともとは海藻類だけをツマと呼んでいたそうですが、今はお刺身のつけあわせ全般をツマと呼ぶようです。

この「ツマ」ただの添え物ではなく、生魚の匂いを消す役割やお刺身の傷みを防ぐ役割・消化を助ける役割があります。

お刺身だけではなく、ツマにもこだわりたいですね。

「ツマ」を上手く使おう!

「ケン」と言われる白髪大根を箸でクルクルと巻いて山にして置きます。大葉やわかめ、カイワレ大根などを載せながら奥から手前にお刺身を盛り付けていきます。

違う魚のお刺身盛り合わせの場合、同じ種類のお刺身を隣同士には盛らないようにして、お刺身の色の対比を考えます。

ケンをクルクル

ケンの山の出来上がり!

置いていきますよ

丸皿の場合はどこからでも見栄えの良いように放射状を意識

彩りを考えてくださいね

鯛で芽ネギ?

こちらもクルクル

レモンは手前と向こう側で交互に切り目を入れてオシャレに!

薄切りにしたラディッシュを重ねて置くと見た目が華やかですね。

木の芽を添えるときは手のひらで叩いてください、香りが立ちますよ。

 

完成!

おいしそう!

上級編:花盛り

お刺身を切ることに慣れてきたら少しステップアップして「花盛り」も飾ってみませんか?

「花盛り」とはその名の通り、お刺身で花を作って飾ることです。

お刺身盛り合わせの完成写真の中にマグロでできた「花盛り」がわかるでしょうか。

そぎ造りをして

クルクルと

慌てずクルクル

マグロの花が完成!

マグロで花盛り

鯛で花盛り

お刺身の「ツマ」が余ったときは?

おいしそうだし、華やかなんだけどお刺身のツマって余ったら他に使い道がなさそう・・・

そんなことないんですよ!

「ツマ」だけで作ったサラダがこちらです。

お刺身のツマで作ったサラダ

 

こうしてサラダに再利用できるので余っても心配ありませんね。

お好きなドレッシングをかけてどうぞ!

鮪人的には青じそドレッシングがおススメです。

家庭で食べるお刺身をおいしくお得にするためにも、お刺身をサクから切る技術やお刺身のツマの活用法を覚えておいて損はないですよ。