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2018.09.27

マグロの旬はいつ?美味しく食べられる時期とは

アバタータロウ

寿司や刺身として古くから日本人に愛されているマグロ。そんなマグロをもっとも美味しく味わえる時期をご存知ですか?

冷凍技術の発達に伴い、年間を通して味わうことができるようになりましたが、生マグロの旬はいつなのでしょう?大間のマグロの旬についても併せてご紹介します。

マグロの旬はいつ?

一口にマグロといっても、いろいろな種類がありますね。マグロによって生息域が異なるため、種類によって旬の時期も変わってきます。

「マグロの旬」とは、身に脂がのって味も濃く美味しく食べられる時期のことです。「生」の状態で水揚げされる、それぞれのマグロの旬の時期をご紹介しましょう。

 

クロマグロ(本マグロ)

マグロの中でも高級とされるクロマグロですが、日本近海で水揚げされるものに関しては主に冬の時期(12~1月)に旬を迎えます。

 

ミナミマグロ(インドマグロ)

クロマグロに次いで高級品種といわれているミナミマグロは南半球にしか生息していません。オーストラリアやニュージーランド近海でとれたミナミマグロが「生」の状態で輸入される場合の旬は、春~夏にかけて(4~6月)となります。

 

メバチマグロ

食卓に並ぶ機会の多いメバチマグロ。国内流通量がもっとも多い品種でもあります。
日本近海でとれるメバチマグロの旬は秋~冬にかけて(10~12月)となります。

 

キハダマグロ

西日本を中心に愛されているキハダマグロ。キハダマグロの産地は主に九州や四国などで、主に夏(6~8月)に旬を迎えます。夏にピッタリのさっぱりとした味わいです。

 

ビンチョウマグロ(ビンナガマグロ)

ビンチョウマグロは比較的安く手に入れることができるマグロです。日本近海で水揚げされるビンチョウマグロは秋~冬(8~12月)に旬を迎えますが、年間通して脂ののり方に大きな差はありません。

 

産地でも異なる旬

種類ごとにマグロの旬を見てきましたが、マグロは回遊魚のため産地によっても微妙に旬の時期が異なります。生マグロの水揚げで有名な産地ごとに旬の時期をご紹介しましょう。

 

青森県・大間

マグロの一本釣りで有名な青森県・大間町。大間で水揚げされたクロマグロは、正月に行われる初セリでとんでもない値段が付くことで知られていますね。

大間町は本州の最北端に位置し、目の前には津軽海峡がひろがります。津軽海峡は、3つの海流(黒潮・千島海流・対馬海流)が流れ込むので、良質で豊富なプランクトンが多いのです。プランクトンはイワシやイカの餌になり、それらを食べることでマグロも大型に育ち、冬の時期に気温が下がることで脂ののりも良くなります。

大間のマグロは年間通して美味しいと評判ですが、そのなかでも最高の時期は秋~冬(9~12月頃)といわれています。

 

和歌山県・勝浦

和歌山県・那智勝浦町は生マグロの水揚げが日本一で有名です。クロマグロのほかにも、メバチマグロ・キハダマグロ・ビンチョウマグロなどの水揚げ量も多くなっています。

勝浦では延縄漁法で水揚げしたものを、船の中で冷水に保存して鮮度を保ちます。勝浦で水揚げされるクロマグロの旬は、大間の旬が終わるころの冬の時期(1~2月)といわれています。

 

冷凍・養殖マグロの旬は?

ここまで生マグロの旬の時期についてご紹介してきましたが、生マグロを目にする機会はあまりないのではないでしょうか?というのも、スーパーに並んでいるマグロのほとんどは、冷凍したものを解凍して出されているからです。

また近年ではマグロの養殖の研究が進んでいます。冷凍マグロや養殖マグロに旬の時期は存在するのでしょうか?

 

冷凍マグロ

冷凍マグロと聞くと、生のマグロより味が落ちると思われがちですが、そうではありません。水揚げされたマグロは、船上で瞬間冷凍されるため細胞が破壊されることなく鮮度を保つことができます。瞬間冷凍された後は、マイナス60度の超低温冷凍庫で保存します。このようにすることで2年くらい品質を保ったまま保存することが可能になるのです。

生のマグロが流通する時間経過とともに劣化することを考えると、冷凍マグロの方が新鮮である・・・という考え方をする人もいるようです。

では、冷凍マグロの旬はいつなのでしょうか?保存期間が長い冷凍マグロは、食卓に並ぶ際には、いつ頃・どの海域で水揚げされたかがはっきりとわかりません。ですから、旬の時期にとれたマグロなのかどうか知ることができないのです。

 

養殖マグロ

マグロの養殖技術の開発もかなり進みました。養殖マグロは、海のなかで生息しているマグロと違い、いつも餌を豊富に与えられる環境にあります。そのため、季節関係なく脂がしっかりとのっている状態になるのです。ですから養殖マグロの旬はこれといってなく、一年通して美味しいものが手に入ると考えてよいでしょう。

 

旬のマグロを味わってみて

マグロがもっとも美味しく頂ける旬の時期についてご紹介しました。マグロの種類や産地、またマグロは回遊魚ですので水揚げされる海域によっても旬の時期は変わることが分かりましたね。旬の時期にとれるマグロは身のしまりや脂ののりが違いますので、ぜひ味わってみてください。